専任制・4

設計のとき、計算上はsl ⇔ sc3.0 のY方向の角度は考慮されないのではないか。これが先の投稿の結論である。ここからは、この仮定上で考えることにしたい。

ところで、張力計算の目的の1つは、各slに発音に適した張力を与えることだろう。線密度が同じ(弦の比重と太さが同じ)で長さも同じなら、周波数が高い方が振動のエネルギーは増える=音量がふえるから、では切れる寸前がよいのか?ピアノ線の応力応答は下図1の通りだ。

聞きかじりだが、張力は破断限界の70%程度がよいと言われているそうだ。が、実際の調律作業では一旦上げ越すことが多いし、ハンマーが衝突して外力が加わったときに生じる定常波の周波数、つまりピッチを変更できなければならないので、張力の増減に対し歪みの可塑性が保証されている比例限度を超えることはないだろうから、比例限度の70%程度ということだろうか。

どのポイントを基準に70%なのかはさておき、上の図をからは、先の投稿で触れた弦圧をもちださなくても、作業の都合や調律の保ち(保持力)のために上げ越しの幅を大きくとるのは、かなり危険なことだというのが見て取れる。

  1. 図 あろろい ↩︎

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