最適化

我々調律師の仕事は、所謂 メインテナンス だ。

端的なのが清掃作業である。喩えばフロントピンの汚れを落とす。落とすとどうなるか。鍵盤の動きがスムースになる。
設計時点でフロントピンが汚れて鍵盤がスムースに動かないことが考慮されているか。そんなことはない。この清掃作業はだから、フロントピンに期待される機能を回復する作業である。

言い換えれば、メインテナンスとは設計に基づいて製作されている実機の機能をマイナスの現状を消す作業だ。いくらマイナスを消していってもプラスにはならない。マイナスを全部消したらゼロになる。元に戻る。

が、中には無理やり設計寸法や寸度に戻せない、不可逆的な事象もある。変形したローラーが元に戻ることはない。ローラーは元々バラつきの多いパーツではあるが、加えて、時間とともにバラつきは増大し、設計寸法には戻らない。

潰れたローラーはどうしようもないのだろうか?交換以外にも形を戻す方法がなくはないが、普段に施工するならばやはり汚れ落としだろう。可能な範囲で最適な状態を求める訳だ。

メインテナンスは原状を回復する作業ではなく、現状を最適化する作業だ。

レンチンで蕎麦

茹で麺と麺つゆを買ってくるのでもなければ、家で喰うとなると、蕎麦は結構面倒である。

先ず寝かせたかえしがいる。出汁もとらなきゃならん。

麺は、生半生乾麵を問わず茹でるのに大ぶりの鍋を準備して、お湯をたっぷり沸かす。沸騰するのを待ちながら、薬味の支度をしておこう。MeiTei、蕎麦の薬味は辛味の効いた大根が好きである。

茹で上がったら笊にとって〆める。蕎麦湯は湯桶か片口に。

温かいお蕎麦なら、もう一度お湯にくぐらせて温めなおす。

当日お鍋は出汁とってかえしを合わせるのに1つ、麺を茹でるのにもう1つ、笊も出汁とる用に1つ、麵を〆るのにもう1つ。俎板、包丁、お玉に菜箸。大根やワサビをおろすなら、おろし金も。喰った後には麺の笊か丼か、薬味の小皿がいくつかとお箸に箸置きも加わる。

ナカナカでしょ。拙宅のシンクはもういっぱい。かえしを作るところから数えると、一体いくつ調理器具を使うんだろう?

レンチン蕎麦

これ拙宅の常備菜の1つですが、丼に麺とお湯入れてレンチン3分! って。。袋に書いてありますね。これなら、洗い物は薬味関係&食卓に出たものだけ!付いてるおツユも美味しいです。

茹で汁に浸かってるんですが、出雲のお蕎麦はそうなんですよ。温かいお蕎麦は蕎麦湯に浸かって出できます。そこにおツユを好みの量入れ、薬味散らして喰うのです。ツユも啜るとね、かなーりお腹いっぱいになる。

この袋麺も結構お腹にたまります。よかったら探してみてください。

二足の草鞋

MeiTeiがお付き合いのある調律師さんに、地域の中核技術者と果樹農家、両方立派こなすAさんがいる。実にいい方なのです。

さるコンサートホールのメインテナンスに伺う度に、何くれとなく面倒見てくださるのだが、あるとき 明日なんですが、ジベ塗り期間中の晴れ間が明日しかなさそうなんですよ ジベは雨降るとダメなんで、すみませんが明朝のお迎えは休ませてください。

ジベ? わからん。

が、あれだけきっちりメインテナンスも都度調律もこなすAさんがいうのだ。大事なことに決まっている。二足の草鞋は生半なことで履けるものではない。

全然! 大丈夫大丈夫!(ジベ塗りのことは後に教わりました)

今年も立派なのをたくさん送ってくださったのだけど、喰い気が先走ったMeiTei、写真撮るのすっかり忘れてました。

毎年ありがとう、Aさん。